NEPAPI BLOG
海外移住したフリーランス夫婦
HurryとRachel

【旅行記】若かりし無謀な時の海外一人旅《乗馬へ行く》

昔からの憧れの一つは「馬を走らせること」。

日本の動物園にあるようなコースを周回する感じではなくて、自然の中で馬を走らせてみたい。

ということで、オランダ人の奥さんに紹介してもらって乗馬体験に行くことになった。

アイルランドで馬を見ることは珍しいことではない。

キラーニーの街にも馬車があるし、道を歩いていると馬に乗った人に出会うこともある。

ある意味身近な乗り物。

 

さて乗馬体験をさせてくれるショップは海に向かって車で30分ほど行ったところにある。

クリスティーナが一度そこまでの道を一緒に行って教えてくれた。

地図を見てもらうとわかるのだが、大小様々な湖が点在している。

目的地に向かうための道の選択肢はほぼない。

ということは、1本間違えると全く違うところへ行ってしまうということだ。

 

そして当日、案の定道に迷った。

途中から湖と丘の形と生えてる植物の感じが違うことに気づいたが、なにせ湖だらけでどの湖を右に見て左に曲がるんだったかわからなくなった・・・。

地図もないし(ここではそんなもの役にも立たないが・・・)、

連絡手段もないし(スマホはこの世に存在していない時代であることはおろかまず手元に携帯電話もない)、

道路標識は当てにならないし(既にこれは経験済みだった)

人もいない(家も見えない田舎だもの)。

とりあえずあっちだかこっちだかあてもなく彷徨っているうちに森の中へ。

1件ひっそりと佇むログハウスを発見。

ノックしてみると中年の夫婦が出てきた。

私:道に迷いました

夫婦:あら大変

私:乗馬できるショップを目指してたんだけど・・・

夫婦:そんなショップあったかしら?

私:とりあえずどこに向かったら海に出ますか?

というと家の中に招いて道を教えてくれた。

・・・が、なにせ目印になるものがない。

なのでどっちの方向が何なのかだけ大体教えてもらった。

困ってたって仕方がない。

というか夜になる方が怖い。

私:とりあえず走ってみます

夫婦:気をつけてね

とりあえず海だろうと思われる方向に向かって走り始めた。

しばらく走っていると視界が開けて草原が見えてきた。

森を抜けたぞ〜と思った瞬間、車が斜めになった。

後輪が溝に落ちたのだ。

えぇ〜泣きたい・・・。

草原の方を見ると一組の家族がバーべキューをしてた。

私:すいません・・・助けてください・・・

ご主人:どうしたんだい?

私:タイヤが落ちました

ご主人:そりゃ大変だ

そうしてご主人と車に戻ってみると、私の車のせいで通れなくなった車が三台ほど詰まっていた。

先に言ったように、ここら辺は道の選択肢がないので1本がダメになると他に行き方がないのだ。

詰まっていた車から人が降りてきた。

皆さん:ありゃー落ちちゃったの?

と言って4人くらいの人たちが車を持ち上げてくれた。

私:ありがとうございます!!

皆さん笑顔で去っていった。

もう2度と会うことはない人たちだけど、今でも感謝している。

 

とりあえず、車が通る道だということがわかったので車の流れについていった。

しばらくすると見覚えのある景色になった。

私:この湖と花に見覚えあるぞ

そうしてなんとかショップに着いた。

30分で着くところを2時間以上かけての到着。

乗馬を教えてくれるお姉さんとは顔見知りになっていたのだが、私が約束の時間になっても来ないのでひどく心配していた。

私が到着するとお店から飛び出してきた。

お姉さん:よかったーここわかりにくいから迷子になったかと思ったー

私:はい、しっかり迷子になりました

お姉さん:やっぱり・・・

 

ここから乗馬開始。

お姉さん:じゃ説明するね。まず馬に乗ろう

と言って大きな馬を連れてきた。

お姉さん:うちで一番大きいけど、一番おとなしいから大丈夫

ビール瓶ケースを二つほど重ねて馬によじ登った。

お姉さん:走らせる時は腹を蹴って、止める時は手綱を引くの。走っている時は内腿に思いっきり力を入れないと落ちるから気をつけて。じゃ行こう

説明1分で終了。

私の前後にトレーナーを乗せた馬を走らせる形で出発だ。

おとなしい馬と言われるだけあって腹を蹴ってもあまりスピードを出さない。

しばらくアスファルトの公道をゆっくり歩いて馬になれる。

トレーナー:慣れたところでちょっと走ってみよう

前の馬が走り出す。

私の馬はおとなしいと言われるだけあって多少腹を蹴っても全然スピードが上がらない。

私:加減がわからないのだが・・・

と思いつつ強めに蹴ってみたが、一瞬ピョンと走ってすぐにゆっくりになってしまう。

私:しょうがないな〜

と思いっきり蹴ってみたらビューンと走り出した。

・・・落ちかけた。

ぎりぎりで持ち直し、言われた通りすぐにぎゅっと内腿に力を入れる。

トレーナー:おっ筋がいいね。そのまま海岸を走りに行こう

 

潮の満ち引きが激しい海岸

引き潮の時には馬車や馬が走っている姿をよく見かける

 

波打ち際から丘までを走り抜け、約1時間の乗馬を終了。

本当に楽しかった。

迷子になっても来た甲斐があったってもんだ。

ちなみに帰りは間違えることなく一発で家に帰れた。

そして次の日は内股がプルプル震えるほど筋肉痛になった。

 

さてアイルランド生活を何かと楽しんでいたのだが、ここからコロコロといろんなことが起こり出す。

次回はまずクレジットカード事件からお伝えしよう。