クリスティーナは学校でドイツ語の先生をしていた。
今まで別の人と1軒屋をシェアしていたのだが、その人が家庭の事情で国に帰ってしまったためシェアメイトを探していたという。
オランダ人の奥さんから話を聞いて私を訪ねてきたというわけだ。
クリス:「場所はちょっと不便なんだけどすっごいいいところだからさ」
私:「いいね〜私もここ持て余してるし」
クリス:「家賃全部込み50ユーロでいいよ、あっネット代は別で折半ね」
私:「いく!!」
とまたなんの細かい説明を聞きもせず引っ越しを決めた。
ちなみになぜこんなに安いかというと・・・という話は後々明らかになる。
レイン湖まで歩けなくもない距離
実は方向音痴には湖は大敵である話はまた後ほど
話を聞いてオランダ人の奥さんが訪ねてきてくれた。
奥さん;「紹介した私がいうのもなんだけど大丈夫?」
私:「何がでしょう?」
奥さん:「家見に行ったことないでしょ?」
私:「この不必要にでかすぎる家に一人暮らしよりはいいかと思って」
奥さん:「まぁだから話してみたんだけどね」
先にも書いたが、私は不用心だが直感は当たる。
悪人や面倒な人でさえなければ「どんとこい」精神で臨む・・・今は体力も気力もないからそんなことしないけど。
クリスティーナはぶっとんでいる感じはあるが、人好きで人懐っこいいい人なのだ。
数日後クリスティーナが車で迎えにきてくれた。
結局1ヶ月分+2万円分くらいを納めてゲストハウスを解約した。
あとは彼女に家にただ連れて行かれるのみ。
もうすでに周りが暗くなってくる時間だった。
走っていると途中途中に現れる街
Google Mapのストリートビューで目星をつけても街が変わりすぎてわからない
さて今となっては彼女の家がどこの住所だったのかわからない。
まず隣の家が見えない。
道路からも家が見えない。
大きな幹線道路から細めの路地に入り、そこからさらに細い路地に入り、そして家につながる細い小道に入る。
その細い小道に差し掛かると
クリス:「あっ窓閉めて。道の草まだ刈ってないから草に顔しばかれるの」
急いで窓を閉める。
車はオートウィンドウではなくるくる回す手動のタイプだ。
外灯なんてあるわけないし近所の明かりがあるわけでもない。
クリス:「寝てる牛がびっくりするから小道はライト消して走るね」
私:「そんなん無理じゃん!!」
クリス:「大丈夫だよ。ぶつかっても草か土だし、ゆっくり走れば見えるし、50mも走ればそこ家だし、私ん家だから勘で走ってもまぁ大丈夫」
私は日本でも田舎出身だから暗闇は慣れている方だと思う。
外灯のほとんどない山道に夜迷子になりに行ったり、真っ暗な海に友達と出かけては波打ち際ギリギリまで走る競争とかしたもんだ・・・(夜の海は本当に怖い)。
でもこの手の暗闇は初めてだった。
ずっと先まで明かりがない。
目の前に迫る草木は視界を邪魔するし、実際目が慣れても暗い。
クリス:「着いたよー、あっ言うの忘れてたけどうちには犬と猫いるから」
私:「マジか・・・」
というかさっき牛がいるとか言ってたか??
実は私は犬が苦手だ。
小さい時に腕を噛まれたことがあるからだ。
クリス:「うちの子絶対人噛まないから大丈夫」
と言いながら玄関を開けると、大喜びした犬が狂ったように出迎えてくれた。
ここからの生活模様はまた次回。