私はもともとアイルランドで生活しようと思っていたのだが、
ビザの都合上6ヶ月間以上続けてアイルランドにいることはできなかった。
なのでイギリス6ヶ月、アイルランド6ヶ月のトータル1年間旅行にしようと思っていた。
アイルランドでは一人暮らし予定だったので、1ヶ月間のホームステイのうちに色々慣れておこうという算段だった。
最初のダブリンのホームステイで英語がさっぱりすっかり全くダメだということが分かっていた。
かと言って日本で英語の会話を訓練できる都合の良いところはなかった。
いまでこそ「ネットでネイティブと気軽にレッスン」とか「ワンコインで30分レッスン」などがあるが、当時は結構なお金を出して塾に通う意気込みでやらないといけないようなところしかなかった。
なのでイギリスで日本人の優しいお姉さんがいる状況でなんとか生活できるまでの英語をマスターしておこうというわけだ。
St Peter’s Church
観光に興味がないため知らなかったが NHLEのひとつらしい
ちなみに私は大学で高校の英語教員の資格をとっている。
なのに話せませんでしたの。
実際それが問題視されて「もっと会話重視を」とカリキュラムが変化していったわけだが、わたしは一概にその以前の教育を否定するつもりはない。
学習指導要領という教育課程における基準があってそれに基づいてそれぞれの教育が学校で行われている。
指導要領は変化していくものなのだが、わたしが教育を受けた時の英語の指導要領は簡単にいうと・・・
「基本文法をきちんと教えて、海外に一定期間住んだ時にきちんとした会話が行えるような基礎を作ること」。
海外に住んでから「なるほどなぁ・・・」と思った。
最初は確かに話せないので困るのだけれども、動詞が持つ意味合いの範囲とあとは名詞さえわかれば日常会話は中学校の英語教育まででほぼほぼ網羅できる。
文字について言えば、本場の人よりきれいな文法で正しい綴りで何なら筆記体であっと驚く英語のセンテンスを書くことができる。
実際私は何度も驚かれた。
筆記体で書くと一層驚かれる。
あちこちに歴史を感じる建物が点在している
さて私はMorecambeにいる間は一人で出かけては歩き回っていろんなお店に行って生活を観察した。
友人たちを紹介してもらって彼らにもいろんなことを教えてもらった。
学校嫌いな私はもったいないことに利用しなかったのだが、外国人のために無料で短期間だけ英語を講習してくれるカリキュラムもあった。
大したことないことから後々まで影響することまで色々吸収したと思う。
例えば・・・
・お店には毛皮のコートからノースリーブまでいろんな季節のものが同時に売っている
・バスは手を上げないと止まってくれない
・会話では発言して参加しないとみんなが気を遣う
・イギリスのケーキはまずい
・人種をしっかり区別したがる
・出身に関するアイデンティティーがかなり重要視される
・差別は受けるもの
・危険な通りと場所は特定されている
・日本を知らない人が存外多い
・健康的なベジタリアンが多い
・ベンツやジャガーだからといって高級車なわけではない
などなど。
今ではネットを開けば海外のことがわかるので、こうはならないってことも結構あるだろう。
だが当時の私にとっては?だたり!だったりの連続だった。
「毛皮のコート脱いだらキャミしか来てないの?!」
「何でもいいから何か話してくれないと仲間外れにしてるみたいだろ?」
「初心者だからおじいちゃんのベンツ借りてきた〜ぶつけても大丈夫」
「日本って人が住んでるの?」
「あの通りは麻薬売ってる通りだから、1本隣の通りから行ったらいいよ」
「あなたは黄色でわたしは白よ」
「私のルーツはスペインだからイギリス人って言わないわ」
・・・なんて会話をしながら1ヶ月を楽しんだ。
道端で会える白鳥さん
準備は整った。
いざアイルランドで一人暮らしを!