HurryとRachel

【旅行記】若かりし無謀な時の海外一人旅《フライブルグまで》

さてどこの空港に着いたのだろうか・・・。

聞き覚えのない名前の空港に着いた記憶がある。

今現在マップでルートを見る限り可能性のあるルートは

ユーロエアポート・バーゼル=ミュールーズ空港で列車に乗る→

Brausebadで乗り換える→

Basilea Stazione Badeseに停車→

フライブルグに着く

・・・こんなかんじのはずだ・・・違うかもしれないが。

そう、確かに列車を乗り継いだ記憶がある。

そしてスイスの大きな駅でまず迷子になった記憶もある。

そしてこの後半の旅で気がついたことは「案内所のいうことをそのまま鵜呑みにするのは危険」ということ。

 

スイスのその駅で大変だったことの一つは英語がまぁ通じなかったこと。

そして駅の中に案内板や時刻表が少ない・・・というか見当たらなかったこと。

駅構内の段差が多いこと。

最初に案内所の人になんとかかんとか行き方を聞き出したはいいが、列車がいつ来るかなんとも定かではない。

これはヨーロッパではよくあることだからなので仕方ないのはわかっている。

これでは埒があかないと思い、しつこく聞き回る作戦に移行する。

ここで構内の段差に苦しめられる。

行くとこ行くとこ小さな数段の段差があるのだ。

普通に歩くだけならいいがスーツケースを持ったまま行き来するのはなかなか体力を奪われる。

現在マップのルートでは空港からフライブルグまで約1時間半だが、私はおそらく駅構内だけでそれ以上の時間を潰したと思う。

なにせ案内所の人も「よくわかりません」とか「列車はいつ来るか定かでありません」のような感じだったからだ。

結局面倒になった私は切符を買って、フライブルグ方面に行くはずの列車が来るプラットホームでとりあえずきた電車に乗ることにした。

 

空港に着いた時は明るかったが、列車に乗る頃には真っ暗になっていた。

ちなみにヨーロッパの冬は日が落ちる時間が想像より早い。

この時は1月末くらいだから日の入りは5:30くらいだが、もっと早くから暗くなる印象だ。

さてとりあえず乗った列車だが、私が乗り込んだ車両にはガラス張りの個室が通路に面していくつか並んでいるだけだった。

この時間の列車は人も少なく個室もほとんどが空だったが、これはなんか違うとすぐにわかった。

とりあえず他の車両に向かって歩く。

しかし次の車両もガラス張りの個室しかない。

いくつかの部屋には金持ちそうな人たちや忙しそうなビジネスマンがいる。

念の為もう一度端から端までゴロゴロとスーツケースを引きながらガラス張りの部屋の横を往復する。

と言っても2両しかなかったのですぐに見終わる。

プラットホームに入ってきた時は後ろに何両もくっついていたはずなのに2両しかないはずはない。

2両目の突き当たりにはBarがある。

酒もタバコも嗜まないが、何かヒントがあるかと思って思い切って入ってみることにした。

人生初のBar入店がスイスの列車で迷子になった結果だとは感慨深い。

 

入ると蝶ネクタイのマスターがひとりカウンターにいた。

ありがたいことに英語を話せるマスターだ。

入口の反対側にはもう一つ扉もある。

私:座席のある車両に行きたいので通り抜けてもいいですか?

マスター:通り抜けれないよ

私:どういうことですか?

マスター:こっちは1等車両だから2等車両とは行き来できないんだよ

つまり乗る時点で1等と2等を間違えたらあかんということだ。

私:・・・どうしよう

マスター:Basilea駅で1分間停車するからその時に2等車両に移ったらいいよ、それまでここにいなさい

私:ありがとう

ということでBarの隅っこの席でしばらくいさせてもらうことにした。

マスターありがとう。

しばらくするとガラス部屋にいたお金持ちそうな男女がやってきた。

二人はカクテルをカッと飲んで出て行った。

 

マスター:さぁそろそろ着くよ

私:本当にありがとう

またゴロゴロとスーツケースを引っ張ってドアでダッシュのスタンバイ。

ドアが開いたと同時にホームに出て後ろの2等車両に移動する。

プラットホームは雪がちらついていたなぁ。

無事に2等車両に飛び乗る。

見慣れたシートが並んでいるので一安心だ。

人が少なめの車両に移る。

私:この車両一人しか乗ってない・・・

私は出入り口に近い座席に座る。

先に乗っていたもう一人の人は私の席より5列ほど斜め前にいる。

しばらくするとその人がタバコを吸い出した。

私:ありゃSmorkingに乗っちゃったか・・・

私はタバコが嫌いなので車両を移ろうかな、と考えた。

すると何やらその人の前に飛んでいるものが・・・。

トランプだ。

私はその人がマジシャンだと今でも思っている。

その人はタバコを蒸しながらトランプを自由自在に操っていた。

おかげで私は退屈せずにフライブルグに辿り着く。

ここから先はまた次回。