行き先はイギリスのMorcambeと決まっていた。
ホームステイ先がそこだったからだ。
友人の友人がイギリス人と結婚してそこに住んでいたので紹介してもらったのだ。
この頃はSNSなんてないから当日までお互い素性が全くわからない。
固定電話で国際電話をかけて落ち合う方法を確認した。
国際電話をかけるのも料金表をみて「じゃ10分以内で話にカタつけよ」と意気込んで電話した。
だってお値段高かったんだもの。
ちなみに相手との接触はその1度だけ。
それでも特に不安はなかった。
というのも経験がなさすぎて何を不安に思っていいのかわからなかったのだ。
今でこそ情報がありとあらゆるところから入ってくるが、私の持っていた情報は「地球の歩き方」のみ。
それだってMorecambeなんて田舎のことは載せていない。
その時はそれが普通だと思っていたからなぁ。
行き場所と日付が決まったので、飛行機のチケットを買うために幾つかの旅行代理店に電話した。
私はこの旅の1年前にアイルランドでホームステイしたのだが、その時に使ったKLM航空が甚く気に入っていた。
何が気に入っていたかと言うと
・機内食が美味しい
・キャビンアテンダントさんがみんな恰幅のいいおばちゃんで接客が大雑把
・アムステルダム・スキポール空港がでかい
後日談になるが、キャビンアテンダントの雰囲気が日本のものとあまりにも違うためヨーロッパの友人に尋ねたら
「接客業は人気がないからよ」
と一蹴された。
国による価値観の違いは面白いものだ。
初めてのホームステイ先だったアイルランドのBrayの街
さて上記の理由でKLMにもう一度乗りたいのでそれで探してもらったのだが、お値段高め。
「じゃ安いのは?」と言うと出してくれたのが大韓航空。
その頃の大韓航空はいろいろな噂もあって(ちょっと前もいろいろあったけど)安くなっていたのだろう。
大韓か・・・と悩んだので「それが一番安いのですか?」と更にきいた。
ちょっと躊躇ってから代理店の人が出してくれた候補がロシアの飛行機。
大韓よりも1万円くらい安かったような気がする・・・もっとだったかな?
私:「ロシアと大韓はどちらがおすすめですか?」
代理店:「大韓です!!」
私:「なぜですか?」
代理店:「理由ははっきりと申し上げられませんが、ロシア経由は目的地に着くまでが大変になると思います」
私:「わかりました、大韓お願いします」
旅行は安心と安全が大事なんですよ・・・ということはもっと大人になってからわかったこと。
ダブリン城の庭
アイルランドのホームステイの時にダブリン観光した時
チケットはOPENで買った。
1年間は海外で住む賭けを自分にしていたもんだから。
ちなみに私が準備して行ったものの中には
・T/C(30万円分くらい)
・銀行残高証明書(英語バージョン)
何でそんなものが必要?と思われる方もいるかもしれない。
これはイギリスに長期滞在するための入管対策だ。
イギリスは不法労働にかなり神経を尖らせている国。
長期滞在するには滞在するためのお金があることを手っ取り早く見せる必要があった。
ワーホリや学生ビザがあるならすぐにパスできるのだがただの旅行者が長期滞在することにはかなり警戒する。
とはいえ、初めての入国の際はすんなりいった。
私のパスポートは新だったし、OPENチケットとはいえ3ヶ月後の復路は予約した状態で行ったからだ。
関空から仁川経由でヒースロー空港に着いた。
さてここから難関の電車に乗って待ち合わせのBare Lane駅まで行かないとだな・・・。